まず決めること:顧客の許可と記録の目的
- Teamsの文字起こし権限は、会議の主催者と主催組織の設定に左右されます。
- 顧客側で文字起こしを始められるなら、まず共有方法を相談すると記録を一つにまとめやすくなります。
- 別の記録が必要で許可も得られた場合は、Tiroのシステム音声入力か、Notta Desktopのボットなし記録を候補にします。
- 外部ツールで録る前に、相手への説明と自社の承認を済ませます。
先に結論を言うと、顧客側で文字起こしを開始して議事録を共有できるなら、その記録を使うのが手順を増やさない方法です。顧客側の記録が使えず、別記録の許可と社内承認を得られた会議では、システム音声で記録するTiroか、Mac・Windowsでボットなし録音に対応するNotta Desktopが補助記録の候補です。
主催者・実行者のポリシーとゲスト権限をどう確認するか
Microsoft LearnのTeams文字起こし管理ガイドによると、Teams管理者は会議やイベントでユーザーが文字起こしと字幕を利用し、記録にアクセスできるかを管理できます。顧客が主催する別テナントの会議でゲスト側に開始操作が出ないときは、主催者へ文字起こしを開始できるか相談し、必要に応じて顧客側のIT管理者へつないでもらいます。
同じMicrosoft Learnガイドでは、Microsoft 365管理センターの診断ツールで、ユーザーアカウントが会議の文字起こし要件を満たすか確認できると案内されています。主催者が機能を利用できない場合は、顧客側のIT管理者に対象ユーザーのポリシーとアカウント要件を確認してもらいます。
文字起こしを開始できることと、会議後に記録を閲覧できることは別々に確かめます。Microsoft Learnによると、参加者は会議後にタイムスタンプと話者表示のある文字起こしを閲覧できます。
顧客に確認する順番は、主催者、管理者、記録の受取先です。主催者には文字起こしを開始できるか、管理者への問い合わせが必要かを聞きます。利用できる場合は、会議後にどの形式で共有されるか、ゲストがアクセスできるか、共有先を誰が管理するかまで一度に決めると、会議後の依頼が減ります。
Teams・Tiro・Notta Desktopはどう違うか
選ぶ基準は、会議記録を顧客の主催組織で管理するか、自社チームのノートと引き継ぎに使うかです。
| 選択肢 | 会議音声の取り込み方 | 向いている状況 | 先に決めること |
|---|---|---|---|
| Teamsの文字起こし | Teams会議の機能として実行 | 顧客側の会議記録を主催組織で管理したい | 主催組織の利用設定と、参加者のアクセス方法 |
| Tiro | オンライン会議の音声をシステム音声で取り込む。ボットは通話に参加しない | 別の記録を自社側で作り、会議後のノートをチームの仕事へつなげたい | 顧客の許可、自社の記録承認、端末での音声取得方法 |
| Notta Desktop | Mac・Windowsの端末上でボットなしに記録する | Nottaで端末録音を行い、会議に録音ボットを参加させない運用にしたい | Desktopの記録方式と会議中の案内、保存・共有範囲 |
TiroのMCPには、ノートや文字起こしを取得するget_noteやget_note_transcriptなどのツールがあります。たとえば、社内で承認されたAIエージェントから過去のノートを検索し、今回の文字起こしを取得して、案件の引き継ぎ用に要点をまとめる構成が考えられます。TiroのMCP接続はOAuthまたはAPIキーで認証し、社内で承認されたアクセス管理に沿って設定します。 Tiro MCPの公式ツール・認証ガイドを参照してください。
2026年10月20日に確認したNotta Desktopの公式ページでは、Mac版とWindows版のダウンロードがベータ版として表示されています。同ページでは、システム音声を使うボットなし録音にmacOS 13以降またはWindows 10以降が必要とされています。アプリへサインインして音声の利用を許可すると、会議参加時にNotta Desktopが会議を検知し、録音を促す仕様です。
外部録音の前に何を確認するか
社内では、録音を許可する部署や担当者、保存先、閲覧できる人、記録の保管期間、削除の手順を確認します。顧客との契約や会議の機密区分に録音・外部サービス利用の条件があれば、それを先に満たします。個人情報や未公開の製品情報を扱う会議は、担当者一人の判断でサービスへ送らず、社内の情報管理手順に沿って決めます。
相手への説明は、目的、使用する記録方法、記録の共有範囲を短く伝えると要点が明確です。たとえば「社内で議事録を作るため、当社の記録ツールで会議音声を取得したいと考えています。会議後の内容は担当チーム内で共有します。録音の可否を開始前に確認させてください」と伝えます。実際の保存先や共有範囲が異なる場合は、事実に合わせて説明文を変えます。
相手が録音を希望しない場合は、顧客側が共有する議事録を使う方法へ切り替えます。許可が得られない状況で録音を続ける代わりに、会議中に決定事項と担当者を手書きで記録し、終了時に認識をすり合わせます。許可の有無が不明なまま録音を始めないルールをチームでそろえると、担当者ごとの判断のばらつきを抑えられます。
顧客側の記録で足りるのはどんな場合か
顧客側の記録共有で足りるのは、会議の目的が合意事項や次の対応を把握することにあり、共有される議事録や文字起こしに必要な内容が含まれる場合です。とくに主催者がTeams文字起こしを開始でき、会議後に自社の担当者へ共有できるなら、別の音声ファイルや重複ノートを作らずに済みます。まず共有記録を受け取り、決定事項、担当者、期限、未解決事項が分かるかを確認します。
一方、社内のプロジェクト記録へ会議内容を残す必要がある場合や、発言を社内用のノートへまとめ直す場合は、自社側の記録が役立ちます。たとえば、複数の顧客との会議を同じ案件フォルダーで管理し、過去の決定と今回の宿題をまとめたいチームでは、共通の保存先と命名ルールを決めたうえで補助ノートを作る意味があります。Tiroを使うチームでは、ノートや文字起こしをMCP経由で取得できるため、承認済みの社内AIエージェントに記録を渡す構成を検討できます。
顧客が共有する録画や文字起こしは、閲覧者、社内保存、二次共有の条件を顧客に確認します。Microsoft Learnの文字起こし管理ガイドでは、文字起こしは会議録画とともにOneDriveまたはSharePointに保存されると説明されています。
顧客側の記録が不足する場合は、具体的な不足点を先に伝えて共有方法を相談します。「文字起こしの共有だけで決定事項を確認できるか」「発言者や時刻が必要か」「社内の担当者だけで見る補助ノートが必要か」を分けて伝えると、顧客は共有範囲を判断しやすくなります。共有記録で足りるなら同じ記録を使い、別記録が必要なら会議ごとに許可と保存ルールを決めます。
たとえば仕様変更の承認だけでなく、更新する担当者と資料、期限まで議事録に記します。顧客へ共有する決定事項、金額、日付、担当者は、会議の担当者が元の発言や共有資料と照らして確定してから送ります。
次回の会議前に、主催者へ文字起こしの開始可否と会議後の共有方法を確認し、社内では補助記録の承認者と保存先を決めておきます。会議招待を受け取った時点で、主催者への確認事項、社内の記録承認者、会議後に共有する担当者を一つの事前チェックにまとめます。