採用面接の記録を誰に渡すか、製品ごとに決める

  • 録音前に利用目的、閲覧者、保管期限、管理責任者を決めます。
  • Nottaは閲覧・編集・共有の権限を分けたいチームに向きます。
  • Tiroは共有リンクの取り消しが全ワークスペースで使え、組織全体の共有範囲上限を設ける機能はEnterprise向けです。
  • Teamsは会議への参加権限と、終了後の記録へのアクセスを分けて評価します。

FAQ

録音への同意と評価目的、閲覧者と保管責任をどう整理する?

録音前に候補者と面接担当者へ目的、利用者、保存期間、問い合わせ先を伝え、候補者の同意を確認して記録します。

録音の目的は、選考に必要な質問と評価項目を記録し、面接後の確認や採用担当者間の引き継ぎに使うことです。東京労働局の公正採用選考の案内は、募集業務の目的達成に必要な範囲で応募者の個人情報を収集・保管・使用する考え方を示しています。評価メモには「要件のどの項目を確認したか」「回答のどの点が評価につながったか」を残し、面接の判断に結びつく情報に絞ります。

録音は会話全体を含むため、評価メモより広い情報が残る場合があります。神奈川労働局の公正採用選考資料では、募集時に差別につながるおそれのある事項などを収集することは原則認められないと説明しています。質問を職務上の適性・能力に結びつけ、会話中に現れた評価対象外の個人情報をメモへ転記しない運用が、記録の目的を守ります。

閲覧者は、採用担当者、面接官、選考責任者など、役割ごとに決めます。面接官には担当候補者の記録だけを共有し、選考責任者には判断の確認に必要な範囲を渡す、といった単位で設計すると、採用チーム全体への一括共有を避けられます。個人情報保護委員会の通則編ガイドラインは、個人データを扱う従業者と、その従業者が扱うデータの範囲を明確にすることを安全管理措置の例として挙げています。

保管責任者は、録音を開始する担当者とは別に決めておくと、担当者の異動後も記録の移管や削除を進められます。責任者は、面接記録の保存場所、アクセス権の変更、削除時期、候補者からの問い合わせを管理します。個人情報保護委員会の同ガイドラインは、必要な安全管理措置の内容を、事業の規模や保有データの性質・量、媒体に伴うリスクに応じて整えるよう求めています。採用音声を扱うチームでは、閲覧できる人の範囲やリンクの扱いを、評価メモだけを扱う場合より慎重に設計する理由になります。

Notta・Tiro・Teamsの共有・管理仕様を同じ観点で比べるには?

「誰が閲覧できるか」「閲覧者が編集・再共有できるか」「組織管理者がリンクを止められるか」「削除期限を設定できるか」を同じ順番で比べます。機能名だけでなく、採用チームの役割と手順に当てはめると、必要な制御が見つかります。

選考業務で重視すること比較の出発点
面接官ごとに閲覧・編集できる記録を分けたいNottaの記録・フォルダー権限を確認する
発行済みリンクを管理し、組織全体の共有範囲を統一したいTiroを確認する。組織ポリシーはEnterprise向け
既存のTeams会議を継続したい録画の保存先とファイル権限を会議形式ごとに試す

Nottaは、Business・Enterpriseのワークスペースで記録やフォルダーの権限を設定できます。Nottaの共有権限ガイドでは、「フルアクセス」は編集と再共有、「編集可」は編集、「閲覧可」は閲覧に対応します。公開リンクはワークスペース外の相手にも文字起こしを共有でき、作成時にパスワードを設定できます。ワークスペースのOwnerは外部ユーザーとの共有を制限する場合があります。録音の共有時にもワークスペース内の相手へのアクセス権を設定できるため、文字起こしリンクと録音ファイルを別の共有対象として運用できます(録音共有とアクセス権の案内)。

Tiroでは、各ワークスペースの管理者が共有リンクを一か所で確認し、取り消せます。Tiroの共有リンク管理ガイドでは、Enterprise向けの組織共有ポリシーとして、共有範囲の上限、最大有効期限、許可する会社ドメインを設定できると案内しています。共有範囲の上限は「リンクを知っている全員」「自社の人」「非公開」の三段階で、既存リンクにも適用されます。たとえば上限を「自社の人」にすると、すでに発行した「リンクを知っている全員」のリンクも自社の人だけが閲覧する範囲に変わります。

「自社の人」のリンクは、登録済み会社ドメインで認証した人が開ける設定です。Tiroアカウントを持たない人も、登録済みドメインのアカウントで認証すれば開けます。したがって、会社ドメイン全体への共有を、特定の面接官だけへの共有と同じ扱いにしないことが大切です。担当者を限定する必要がある採用記録では、共有範囲の上限やリンクの運用を社内の認証・権限ルールに合わせて決めます。

標準・プライベート・グループチャット会議の録画は開催者のOneDriveに、チャネル会議の録画はチームのSharePointサイトにある該当チャネルの「Recordings」フォルダーに保存されます(Teams録画の保存先に関する解説)。録画ファイルはOneDriveまたはSharePoint上でアクセスを管理します。Teams録画の共有・アクセス許可に関する手順では、ファイルの「Manage access」から権限パネルを開く方法が紹介されています。Teamsを継続する企業は、会議形式と録画の保管場所を対応づけると、共有設定を担当する場所が明確になります。

Teams内の会議権限と外部ツールのリンク共有をどう区別する?

会議への招待は「誰が面接に参加できるか」、録画ファイルの権限は「終了後に誰が音声を開けるか」を決める設定です。

面接記録を限られた評価者だけに渡す運用では、記録ごとの共有先を標準手順にし、公開リンクを使う場合は受取人とパスワードの伝達方法をあらかじめ決めます。リンクとパスワードを別の経路で送る手順も決めておくと、共有先と認証情報を同じメッセージに載せずに運用できます。

Teamsの試行では、標準会議とチャネル会議をそれぞれ録画し、録画ファイルが保存された場所でアクセス設定を確かめます。面接担当者、選考責任者、面接に参加しない採用担当者のテストアカウントを使い、誰がファイルを開けるか、権限を変更できるか、アクセスを外せるかを順に試します。外部ツールを併用する場合は、リンクを受け取った相手の認証方法と、取り消した後に開けなくなることも同じ手順で確認します。

試行記録には、テストした会議形式、保存先、確認した役割、各役割のアクセス結果を残します。権限設定を変更したときも同じ手順で試せば、面接担当者や保存先が変わった後の違いを比較できます。

アクセス取消・保管期間・原音確認を試して製品を選ぶには?

候補製品を選ぶ前に、テスト用の面接音声で「共有する」「別の人が開く」「アクセスを取り消す」「削除する」「原音を聞き直す」を一巡します。実際の候補者情報を使う前に、同意を得た模擬音声や個人情報を含まないサンプルで設定を検証すると、選考記録の扱いを確認する段階で不要な個人情報を増やさずに済みます。

NottaのTrash管理はBusiness・EnterpriseプランでOwnerが設定します。NottaのTrash管理権限の案内では、OwnerやAdminがワークスペースのゴミ箱全体を確認し、復元や完全削除を行えるかを管理する設定が案内されています。削除・復元の操作はAudit Logに記録され、メンバーがワークスペースを離れると、そのメンバーの録音はOwnerへ移管されます。面接担当者の退職や異動後も記録の管理責任を保つ手順を設計する際に役立つ仕様です。

Tiroでは、ライブ録音の音声は文字起こし後にメモリーから破棄され、音声ファイルのアップロードやオフライン録音のファイルも文字起こしと話者分離の完了後に自動で破棄されます。Tiroのセキュリティとプライバシーの説明では、段落単位の音声再生を有効にした場合は音声がアカウントの暗号化ストレージに保持され、この機能は既定でオフとされています。原音を再確認する選考手順を組む場合は、この再生機能の有効化と組織による許可を確認してから試します。

Tiroでノートを削除すると、通常はまずゴミ箱に移ります。通常ワークスペースでは既定の30日後に運用データベース、検索インデックス、キャッシュから恒久削除され、災害復旧用バックアップは保持期間経過後、最大21日で自動廃棄されます。Enterpriseではゴミ箱の保持期間を0日、7日、14日、30日から設定できます。保存期間を短くしたい採用チームは、削除操作を誰が行うかに加え、ゴミ箱の保持設定も運用期限に合わせて決めます。

採用管理システムへ評価結果だけを引き継ぐ運用では、音声・全文文字起こしと評価メモの保存先や閲覧者を分けて設計します。面接音声を必要な期間だけ扱うチームは、候補者の評価記録を共有する権限が音声データにも及ぶかを、各製品の設定で別々に確かめます。

選択の目安は、閲覧・編集・共有を役割ごとに分ける運用を重視するならNotta、共有リンクの一括確認・取消や組織単位の共有上限を重視するならTiroです。特にTiroは、管理者が共有リンクを取り消せることと、Enterpriseで既存リンクにも共有範囲上限を適用できる点が、採用記録のアクセス管理に役立ちます。Teamsは、既存の会議基盤を維持することが優先条件の場合に候補として残し、会議への参加権限と保存後の記録アクセスを分けたテストで要件を満たすか判断します。

導入前には、候補者への説明文、共有先の役割表、保存期限、削除責任者を一枚の運用手順にまとめます。その手順で模擬音声の共有から削除までを実行し、面接官の異動や共有リンクの誤送信にも対応できる候補を選びます。

共有の最終確認では、録音・文字起こし・評価メモの閲覧者を別々に記録します。Tiroの公式共有・出力ガイドに沿って、提出先へ必要な内容だけを選び、採用評価の根拠は社内の権限範囲で保管します。